2010年12月16日木曜日

日航は安全第一の再建の道を!

20101216
日本航空は、整理解雇を強行するな!航空の安全と国民の理解を重視した再建を求める! 東京革新懇(平和・民主・革新の日本をめざす東京の会)代表世話人会

経営再建中の日本航空は2010129日、機長など航空乗務員94名、客室乗務員108名に対し、「1231日で整理解雇する」と通告しました。その中に、「米軍が管理する横田空域と民間機の安全」と題して、「東京革新懇ニュース」(20104月号)に寄稿した航空労組連絡会議長(当時)山口宏弥氏が含まれており、事態の謀略性が感じられます。私たちはこの間、基幹的な公共交通機関の安全輸送を確保する観点から、日本航空の「経営危機」と再建問題に重大な関心を払ってきましたが、下記の理由で、整理解雇を撤回し、当該組合と誠意をもって交渉し、国民の理解を得て問題の解決を図ることを強く求めます。      
日本航空は更生会社であり公的支援を受けていますが、判例で確立している「整理解雇4要件」(①人員削減の必要性、②解雇回避努力の履践、③被解雇者選定基準の合理性、④解雇手続きの妥当性)は守られるべきであると、日本労働弁護団、自由法曹団など法律の専門家が指摘しています。121日時点の希望退職者は目標の1500名を上回る1706名と超過達成しています。にもかかわらず、さらに202名の整理解雇を強行することは、「整理解雇4要件」を踏みにじる不法なもので容認することはできません。
そもそも、「日本航空の経営危機の真の原因」は何でしょうか。津惠正三航空労組連絡会事務局長は、長期為替予約による巨大損失、ホテル・リゾート開発の失敗をはじめとする「経営体質」と、政治的な要請による米国の航空機の購入、新空港建設に伴う赤字新路線の開設など「対米従属のゆがんだ航空行政」にあると解明しています(「東京革新懇ニュース」0912月号)。したがって、経営に直接的な責任がない労働者に、解雇という死活の犠牲を強要することは、まったく道理がありません。
今、新卒の就職難など雇用問題が深刻な社会問題となっています。このような情勢のもとで、安易な解雇が横行すれば、他にも悪影響を与えます。全日空職場革新懇(「未来をひらく全日空の会」)の学習会において、元機長が「ANAにとっても『対岸の火事ではない』」と警告しています。
日本航空の再生にとって、なによりも大事なことは、航空の安全を確保し、国民の信頼を回復することです。日本航空の労働者が、雇用不安や労働条件の劣化で不安を抱くような職場では、航空の安全は守られません。海外旅行が国民に広まり始めた頃、帰路、JAL機に搭乗した時の安堵感を覚えている国民が少なくないと思います。日本航空の再建が、国民の理解を得ながら進められることを要望いたします。
なお、私たちは、日本航空の管財人である企業再生支援機構が、日本航空の労働者に憲法第28条で保障された「争議権」の放棄を迫る不当労働行為を行ったことに、断固抗議します。